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むち打ちについて

むち打ちの原因


むち打ち症は器械体操や球技、ダイビングなどのスポーツ時や、頭に重い物が落ちたときの 衝撃で起こることもあります。しかし、最も多い原因は自動車の追突です。
停車中に後ろから追突されると、車体が前に飛び出します。その際、からだもシートとともに 前方へ移動しようとします。ところが頭部はシートに触れていないうえ、重いので、その場に残ろうとして、 からだとはワンテンポずれた動きをすることになります。

結果的に、衝撃時には首が後ろに引き伸ばされ(過伸展)、次の瞬間には反動で頭部が前に倒れ、 首が前方に強く曲がります(過屈曲)。
正面衝突や追突したときにむち打ち症が起こることもあります。この場合には、首は追突されたときとは 逆の動きをします。まず、車体が後ろへ動くために、からだも後方へ移動しようとします。
すると、頭が前に倒れて首の過屈曲が起こり、その後に反動で頭が反り返り、首が後ろに引っ張られ、 過伸展の状態になります。

首がこのような一連の動きをするのは、頚椎が一本の骨ではなく、椎骨という7個の骨が積み木のように 重なってできているためです。一つ一つの骨の間では椎間板という軟骨が上下の骨をつなぎ、 また骨同士がぶつからないようにクッションの役目も果たしています。
椎骨の中央には脊柱管という管が通っていて、脳から下方に伸びる神経の束・脊髄が走っています。
脊髄から枝分かれした末梢神経は、椎骨と椎骨の間の椎間孔という穴から出て骨や腕に伸び、 その領域の筋肉の運動や感覚を支配しています。
また、椎骨がずれたり外れたりしないように、線維でできた靭帯が椎骨を上から下までつなぎとめて います。さらに、周囲の筋肉で補強されています。

筋肉は、筋線維が集まってできています。首が急激に後ろに引っ張られると、このすじが切れたり、傷ついたりして内出血を起こします。特に、首の後ろから鎖 骨のあたりにかけて斜めに走る胸鎖乳突筋が損傷するケースが多くみられます。また、靭帯が伸びたり、切れてしまうことも 少なくないようです。
重症になると、椎骨がずれて神経が圧迫される場合もあります。ただしこのケースは、むち打ち症と いうよりは頚椎損傷とよばれます。
椎間板に亀裂が入って中に含まれている髄核が飛び出し、その後ろを通る神経が圧迫された状態を 椎間板ヘルニアといいますが、むち打ち症が原因で起こることもあります。
血管が圧迫されて血流がとどこおることで、むち打ち症を招くケースもみられます。
むち打ちとはどういうものですか?


現代社会は、車社会といえるでしょう。幹線道路が次々と整備される一方で、 特に都市部では交通渋滞が大きな問題となっています。
そうした現実を背景に、自動車事故の発生件数も確実に増加しており、 とりわけ追突事故の占める割合が高くなっています。むち打ち症は自動車の 衝突事故、なかでも後ろから追突されたときに起こるケースがほとんどです。
自動車事故による外傷の相当数を、むち打ち症が占めていることが推察されます。

むち打ち症は、外傷性頸部症候群ともよばれています。首が間接的な衝撃を受けたときに、 むちのようにしなる動きをすることによって引き起こされるさまざまな症状の総称です。
頚椎とよばれる首の骨が強い衝撃を受けると、骨折や損傷を防ぐために軟骨(椎間板)や 靭帯、筋肉など頚椎をとりまく組織が衝撃のエネルギーを吸収します。そのため、 これらの組織が傷ついて、首や肩の痛みなどが現れます。
受けた衝撃が大きいと、頸部を走る血管や神経までダメージを受ける場合があります。
頸部の神経は首や背中を通って全身に枝分かれしていくため、からだのざまざまな機能に 支障をきたすことになります。

自動車事故の増加とともに、むち打ち症の症例数も増えていると考えられます。
しかし、実際にはまだあまり研究が進んでいません。そのため、むち打ち症という用語の定義や 使用される範囲が確定されておらず、詳しい発症メカニズムも明らかにされていないのが現状です。